今年は2月8日が【春節】となっています。
これは一般的に旧正月と言われていますが、日本では全くと言っていいほど忘れ去られています。
しかし、運気を考えるときにはとても重要な【基本となる日】ですから意識しておくべきでしょう。
また、元日・立春・節分・春節は全く違うものなので注意して理解したいものです。
暦(天文と月日の数え方)は世界中に数100種あるといわれています。その中、日本を含む中国文化圏では【太陰暦】【太陽太陰暦】【太陽暦】をつかってきました。
詳しく知りたい方は ⇒⇒暦について/暦の発見(太陰暦から太陰太陽暦へ)Ganshodo-shuppan co,ltdを参考になさるとよいでしょう。
現在の日本人は【太陽暦】のみを使用して地上生活を送っています。
しかしながら中国文化圏の人々は日常【太陽暦≒新暦】を使いながらも、年間行事は【太陽太陰暦≒旧暦≒農暦】を使っているのです。それは迷信や習慣にとらわれているからという訳ではなく、季節の移ろいに即しているからという面が強いのです。
【太陽暦】では、一年を24の節気に分けて考えます(二十四節気)。
その中で昼の長さと夜の長さがおなじになるのが春分の日と秋分の日です。
昼が一番長い日は夏至、夜が一番長い日は冬至です。
その冬至から数えて、新月(朔の日)が2回目に来た時を【春節】と決定し、年が改まる日としているのです。
太陽の運行を基準に決めた【冬至】に、突然、月の運行を絡ませて一年の始まり【春節】をきめてしまうなんて無謀・横暴と感じられるでしょうが、そういうことに決まっているのです。
つまり2015年(未年)から2016年(申年)に改まるのも厳密には【春節】からなのです。
ちなみに、冬至と春分の真ん中の日が【立春】でその前日が【節分】なのです。節分とは、「季節の分かれ目」のことで、立春・立夏・立秋・立冬の前日を節分と呼びます。
本来、節分は一年に4回あるのですが、季節の順番を春夏秋冬というように、新しい年の始まりが春であることから、立春の前日の節分が重んじられるようになりました。
(立春も2月4日であることが多いのですが、2月3日になることもあります)
私たちが使っている【太陽暦】といえども天体の運行に完全合致した完璧な暦とはなっていない。ということなのです。
話を【春節】にもどしましょう。
旧正月【春節】は【新月=朔の日】ですから月は出ていません。
中国文化圏で暮らす人々は、春節を迎えるその前から用意しておいた巨大な爆竹を街中で一晩中鳴らし「陰気」・「邪気」・「殺気」・「妖気」を払い、良好な運気を呼び込むのです。
春節には餃子(ぎょうざ)も、もちろん食べます。餃子は「元寶(げんぽう)」と呼ばれる、中国版のインゴット・金塊を模したもので、『金塊を食べる』というおめでたい食べ物なのです。
そして【春節】の行事は15日間も続きます。
この【春節】から十五日目は【元宵節】といって、町中にボンボリやランタンが灯され、公園や広場には、ねぶた祭りのような巨大な電飾造形物が数多く置かれ、一年で一番うつくしい日となります。
また元宵節には、【湯圓】という甘い白玉団子を食べる習慣も根強く残っています。
元宵節の十五日目は満月になりますから、お寺や廟に出向き祈願をして正月の行事がすべて終わるのです。
中国文化圏の人々は冬至から数えて、新月(朔の日)が2回目に来た時を【春節】とし、エネルギーの高まる新月から満月までの15日間を、お正月と定める習慣とされていたことは、とても感慨深いですね。
当協会になじみの深い、横濱中華街でも「春節」を盛大にお祝いします。
2月7日(日)24:00~からは、横濵関帝廟と横濱媽祖廟の両廟で春節のカウントダウンが行われ、街は新年を迎えるお祝いムード一色に包まれます。
2月8日(月)~2月22日(月)の間、横浜中華街でも中国同様の「春節」を楽しめるよう1986年より「春節」を開催しており、今回で30回目を迎えます。獅子舞や龍舞、皇帝衣装のパレード等中国の伝統文化を紹介する「春節」は今や横浜の観光を代表する行事ともなり冬の風物詩ともなっております。
機会がありましたらぜひ横濱中華街の「春節」に行かれて新しい年の始まる良い「気」を改めて感じられてはいかがでしょうか?
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