風水の真実が理解されていない ~後編~

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ここで明確にしておかなければならいのは、風水と占いはまったく別のものだということです。まして風水が占いの一つの分野などということは、絶対にあり得ないのです。

 

易学が「体系づけられた学問」として伝えられ続けてきた中国には、中華思想の根本を成すものとして『四書五経』があります。この『四書五経』のなかにこそ中華思想を支える五つの体系があるのです。

 

「命・卜・相・医・山」の五術に大別されていて、占いは「卜」に、風水は「相」に分類されているのです。
「卜」とは、目に見えない未来に起こる出来事を予想する術であり、「相」とは家相・人相・手相といった目に見える“現状”を判断する術なのです。

 

だからこの二つを混同して伝えることは、新しい占いの形式でも何でもなくて、やってはいけないタブーだと考えています。

 

もちろん、占いも緻密に計算されたデータを独自の方法論で分析していく統計学ですから、否定するつもりは毛頭ありません。
風水と占いは親類のような関係に見えるかもしれませんが、根本と目的がまったくちがうのです。

 

風水もまた、長い歴史に裏付けられたデータを柱とする統計学ではありますが、そのデータを幸福のために積極的に使っていこうとする学問、即ち“環境整備学”だということです。
そこが占いと決定的に違う点であり、その人にとってあらかじめ“良い日”“ダメな日”が決められているのではないのです。
(※個人ごとに良い運気に恵まれる吉日時は存在しています)

 

悪いものを良好なものへと転換するために、例えば「今日は赤い服を着なさい」というアドバイスは、大雑把過ぎるというよりも【怪しい自称風水師】としか思えません。
『明日は何色を着なさい。』『明後日はこのメニューを食べなさい。』そんな、個人の判断能力を徐々に奪っていき、その風水師がいなければ何事も決められなくなってしまうような状況を作り上げる【自称風水師】には、くれぐれもご注意ください。